撮影見聞録
 本日、足かけ3年に及んだ東映映画「劔岳点の記」の立山山岳地帯における現地撮影が終了しました。
 剱御前小舎もこの撮影に微力ながら協力させていただけたことは大きな喜びでありこのコラムを開設し、木村監督はじめ出演俳優の皆様、スタッフの皆様の涙ぐましいご努力に最大級の敬意を捧げます。

      2008年7月22日  剱御前小舎 親爺

  新田次郎氏の名著「劔岳点の記」東映により映画化されると聞いたのは一昨年のことだった。
  私たち立山に生きる者にとって、しかも劔岳の目前に山小屋を営ませてもらっている者たちにとって、このニュースは大きな驚きと期待の
 入り交じった気持ちで受け入れられた。

  
  

   2007年4月末
   剱御前小舎の小屋明けは大わらわ、数年ぶりの荒天で小屋が一部被害を受けたからだ。
   しかし例年通り小屋開けし4月25日には営業を再開、そして直後に木村監督をはじめとするロケ隊が、標高2760mの雪に埋もれた我が
  剱御前小舎に入山してきた。
   4月末とはいえ剱御前小舎は玄関の戸の開け閉め一つも凍ってままならぬ世界である。一歩足を外に踏み出せば、そこには岩と雪と氷だ
  けのまさに酷寒の地、熟練した登山者にしか足を踏み入れることの許されない場所だ。 
   撮影は早朝から始まり、夕暮れまで終わらない。小屋へ帰り着いてくるスタッフのアイゼンバンドも靴紐も完全に凍結している。屈強の山岳
  ガイドを交えてはいるが、山の経験の浅い撮影スタッフの驚きと苦労は、想像を絶するものだったろう・・・。

  

    
     玄関内でも氷点下15度        剱御前小舎はまだ雪の中       あたりは岩と雪と氷だけの世界



 2007年9月 
  俳優さんを交えた本格的な撮影が始まって、室堂や天狗平、馬場島等々での撮影が進んでいるとのニュースが届いてくる。
  そしてついに撮影隊は、夏山シーズンを終えた我が剱御前小舎へもやって来た。
  

木村大作監督 柴崎技官役の浅野忠信さんと親爺 宇治長治郎役の香川輝之さん

  剱御前小舎を訪れてくださった皆さんに早速スナップ写真を撮っていただいて、大喜びの親爺だった。有名な俳優さんなど近くで
 見たことのない山出しの親爺。とても気さくに接していただいた。


  稜線の山小屋で水のない剱御前小舎では、俳優さんのシャワーもままならず、従業員用の簡易シャワーで化粧を落としていただく。
  毎朝早くからの撮影だから、俳優さんのメークは夜明け前から始まる。メークさん、衣装さんといったスタッフも夜中から大変だ。
  撮影現場までの行き来が又一苦労。全てが登山行程である。大きな荷物を背負っての行動は、スタッフも俳優さんも区別がない。

夏八木勲さんは行者役 小嶋烏水役の仲村トオルさん 両主役とスナップ写真で大喜びの親爺
裏支配人はうれしい浅野さんとの2ショット 支配人も香川さんと一緒に 親爺も仲村さんと一緒に

  撮影隊の2007年の剱岳方面での撮影は10月はじめで終わり、室堂方面の撮影へと山を下りた。


 2008年7月

  撮影2年目を迎えた俳優さんやスタッフにより立山での撮影は春から再開された。
  そして6月、撮影隊は剱岳へ戻ってきた。
  剱沢を中心にあちこちと場所を変え多くのシーンが撮影された。


    まだ雪の多いころ撮影隊は返ってきた。

       川谷拓三さんの御曹司仁科貴さん

   菊池プロデューサーも荷物運びに活躍

とにかく人力輸送しかない撮影の日々

最後の出番を待つ仲村さんのメーク風景

俳優さんも本当に大変

随分おやせになって!!

最後の撮影に出陣する仲村さん

劔岳は悠然と聳えている。

  撮影の日々はハードである。気まぐれな大自然は人間の都合など関係なし。
  撮影不能日が何日も続き、予定など有ってないようなもの。それでも必ず終わりはやってくる・・・・・と信じて山の暮らしに耐えた。


  そしてついに終わりの日がやってきた。


剱岳現地撮影終了に晴々とした木村監督

監督にいただいた記念のサイン

その日木村監督は親爺より黒く日焼けしていた。

撮影で使った熊の胆も本物!!

スタッフの皆さん今日は下山できるね。おめでとう!!

機材も下山してゆくか・・・・・

一列縦隊ニコニコと下山。ご苦労様。

多賀谷サーダーと木村監督。お疲れ様です。

剱岳は皆さんの又の来訪を待っています。

と言う次第で、撮影隊は今日皆下山してゆきました。後は下界での撮影が残っているそうです。
本当に長い間ご苦労様でした。
映画の封切りが楽しみです。
山の中であわててページを立ち上げましたので、まだまだ不十分ですが、この後何かニュースが入りましたら
このページで更新いたします。もちろん少し手直しもして参ります。
取り急ぎと言うことで、本日はここまで。

                                                     剱御前小舎親爺の撮影見聞録以上にて・・・
                                                           2008年7月22日
PS.
今日7月24日、我が芦峅寺の常願寺川で最後の撮影がありました。
親爺は山にいますので行けませんでしたが、家内が行って仁科貴さんを撮影してきました。
「剱御前小舎の佐伯の家内です。主人がお父様の大フアンでして。」と声をかけると、仁科さんは
気軽に撮影に応じてくださって、サインも頂いたと家内が感激していました。

  またまた仁科貴さん。お父さんそっくりです。 こんな撮影シーンだったらしいのです。

川谷拓三さんのフアンだった親爺にとって、仁科さんの存在は特別です。
心から応援しております。お父さんのような素晴らしい個性派の俳優さんになってください。

又何時の日にか皆さんにお会いできるのでしょうか。
本当に素晴らしい撮影見聞の日々を有り難うございました。
「劔岳点の記」がどのように撮られた映画かを、少しでもかいま見ることの出来た親爺は幸せです。
遙か雲上、劔岳を目前に剱御前小舎親爺以下スタッフ全員で
「劔岳点の記」万歳!!

                                      平成20年7月24日 剱御前小舎 親爺